クラブ紹介 vol.25 B.PREMIER・北から順に

長崎ヴェルカ

2026-27シーズン開幕ロースターを一挙紹介。戦力の見どころをまとめます。

2026-27シーズン ロースター
#選手名POSメモ
1松本健児リオンSG継続
7ジャレル・ブラントリーPF継続外国籍
9森川正明SF継続
10永野威旺PG/SG期限付き移籍から復帰
11熊谷航PG継続
12大友隆太郎SG新規・プレシーズン期間の短期契約
13星川堅信SF継続
14髙比良寛治SG新加入秋田から
15プラット聖也PG/SGユース育成枠
18馬場雄大SG/SF継続
20リーヴァイ・ランドルフSG/SF新加入外国籍
25アキル・ミッチェルC/PF継続外国籍
32田中流嘉州SF/PF新加入
34パブロ・アギラールPF外国籍開幕後に加入
77土屋アリスター時生PF新加入秋田から
ロースター表の更新履歴
  • パブロ・アギラール(#34 / PF)がB.LEAGUE公式の在籍選手一覧に加わったため、一覧に追加しました。
戦力分析

この戦力分析は開幕前に書いたものです。2026年10月10日終了時点の長崎ヴェルカは2勝4敗で、B.LEAGUE公式順位表では西地区8位。ホーム4試合の平均入場者数は5,700人です。

北から順にお届けしているB.PREMIERクラブ紹介。第25回は長崎ヴェルカです。

ホームアリーナはハピネスアリーナ。2026-27シーズンはB.PREMIER西地区に所属します。

昨季47勝13敗。

西地区1位。

そしてB1初優勝。

普通なら「王者がどこまで連覇できるか」という記事になります。

でも長崎は、優勝した直後にヘッドコーチを替えました。

しかも、ベストファイブとベスト6thマンを同時受賞したスタンリー・ジョンソン選手も退団。

王者なのに、同じチームではありません。

47勝13敗、+690。そして初優勝

2025-26シーズンは47勝13敗。

総得点5472、総失点4782。得失点差は+690でした。

平均91.2得点、79.7失点。

攻撃力はリーグでも突出していました。

チャンピオンシップでも勝ち上がり、ファイナルでは琉球ゴールデンキングスと対戦。

GAME1を69-71で落としたあと、GAME2を66-60、GAME3を72-64で連勝。

クラブ初のB1優勝をつかみました。

長崎にとって、これ以上ないシーズンです。

だからこそ、その直後の変化が目立ちます。

優勝HCからディーン・ヴィッカーマンHCへ

新ヘッドコーチはディーン・ヴィッカーマン氏。

オーストラリアNBLのメルボルン・ユナイテッドを長く率い、代表スタッフも経験してきた指揮官です。

前任のモーディ・マオールHCは長崎に初優勝をもたらしました。

ヴィッカーマンHC自身も就任時、その功績へ敬意を表したうえで「継続的な成功」と「さらなるチャンピオンシップ獲得」が自分の使命だと語っています。

つまり、今季の基準は最初から高い。

優勝したバスケットを引き継ぐだけでは足りません。

新しいHCが、自分の考え方を入れながら王者の強さを維持しなければならない。

かなり難しい仕事です。

スタンリー・ジョンソン退団。その得点をどう埋めるか

選手も変わりました。

昨季の中心だったスタンリー・ジョンソン選手は群馬へ移籍。

一方で、ジャレル・ブラントリー選手、アキル・ミッチェル選手、馬場雄大選手、熊谷航選手らは残留しています。

新加入ではリーヴァイ・ランドルフ選手が目立ちます。

198cmのウイングで、欧州の高いレベルでプレーしてきました。

髙比良寛治選手は秋田から加入。

永野威旺選手は期限付き移籍から復帰。

田中流嘉州選手、土屋アリスター時生選手も加わっています。

プラット聖也選手はユース育成の流れからトップチームへ入る若手です。

昨季の91.2得点を、そのまま同じ方法で再現することは難しいでしょう。

だからこそ、今季の長崎は「誰がジョンソン選手の代わりに20点取るか」という見方だけでは足りません。

得点の作り方そのものが変わる可能性があります。

「MORE VELCA, STILL VELCA.」

今季のスローガンは「MORE VELCA, STILL VELCA.」。

もっと速く、もっと強く、さらに進化する「MORE」。

一方で、挑戦者の姿勢、自ら考え行動する「HAS IT!」の哲学、長崎とともに戦う姿勢は変えない「STILL」。

優勝後のクラブにはよく似合う言葉です。

結果を出したから変えない、ではない。

優勝したからこそ、変えるものと残すものを整理する。

HC交代まで含めて考えると、今季の長崎をそのまま表しています。

イ ヒョンジュンまで抜けた。王者のウイングはさらに変わる

開幕直前、長崎にはもう一つ大きな動きがありました。イ ヒョンジュン選手が9月7日付で退団。NBAポートランド・トレイルブレイザーズとのエグジビット10契約へ挑戦することになりました。

昨季のイ選手は高確率の3ポイントで長崎のスペーシングを支えた存在です。スタンリー・ジョンソン選手が群馬へ移っただけでもウイングの得点構成は変わっていましたが、そこからさらにシューターが一人抜けた。クラブは退団発表時に、代わるアジア枠選手の獲得交渉を進めると明言しています。

つまり9月時点の長崎は「王者の完成ロスター」ではありません。開幕後も編成が動く可能性を残した状態です。ヴィッカーマンHCが新しい戦術を入れる一方で、GMは最後のピースを探す。優勝翌年としてはかなり変化の大きいスタートになります。

大友隆太郎選手の扱いにも注意が必要です。現在ロスターに掲載されていますが、8月28日に結んだ契約はプレシーズンゲーム期間の短期契約。昨季からの残留選手ではありません。トップチームの練習生・ユーススクールアドバイザーとしてクラブに関わってきた選手が、プレシーズンのチーム事情を支える形で契約しました。

それでもブラントリー選手、ミッチェル選手、馬場選手、熊谷選手ら優勝を知る核は残っています。全部が変わったわけではない。だからこそ、「王者の文化を誰が引き継ぎ、誰が新しい得点を担うのか」が明確なテーマになります。

昨季91.2得点のオフェンスを、ジョンソン選手とイ選手が抜けた状態でどんな配分に作り直すのか。連覇の可否を考える前に、まずそこが最大のチェックポイントです。

優勝を知る選手が、新HCの基準をどうつなぐか

HCが変わるとき、優勝チームほど難しいのは「前のやり方が成功している」ことです。選手には成功体験があり、新HCには自分の考え方があります。どちらかを全面否定すれば、せっかくの強みを失います。

ヴィッカーマンHCにとって幸いなのは、ブラントリー選手、ミッチェル選手、馬場選手、熊谷選手らが残っていることです。昨季、どの練習強度が優勝につながったか、どんな場面でチームが崩れなかったかを知る選手がいる。新HCの考えを受け入れながら、王者の基準をロッカールームで維持できます。

逆に、新加入選手は「前年王者だから勝てる」わけではありません。ランドルフ選手らが昨季のチームカルチャーへ入り、自分たちの強みを加える必要があります。

47勝という数字は今季の保証ではなく、比較対象になります。序盤に数試合落としたとき、昨季と比べすぎずに新しいチームを育てられるか。王者のプレッシャーは、連覇争いだけでなく日々の評価にも表れます。

見どころ

一番見たいのは、王者が「追われる側」になったときのバスケットです。

昨季は47勝。

各クラブは当然、長崎を研究してきます。

しかも今季はHCが変わり、主要得点源も一人抜けました。

序盤から昨季と同じ完成度を求めるのは簡単ではありません。

それでも、王者である以上は結果を求められる。

ブラントリー選手、馬場選手、ミッチェル選手ら残った主力が、新しいHCのもとでどれだけ早く基準を作れるか。

ランドルフ選手がどこまでフィットするか。

そしてB.PREMIERのオンザコートルールをどう使うのか。

開幕は9月23日(水)19時05分。

ハピネスアリーナで島根スサノオマジックを迎えます。

B.PREMIER OPENING SELECTIONの一戦です。

昨季王者が、新しいリーグの最初のホームゲームを任された。

「連覇できるか」だけではありません。

優勝したチームが、優勝した直後にどこまで変われるか。

長崎の今季は、その難しい挑戦を見るシーズンです。

今季を測る最初の基準

長崎は、王者として追われる立場になった最初の数節が重要です。昨季までの勢いではなく、相手が対策を用意してくる中でどう勝つのか。新HCのもとでも攻撃の多彩さと守備の強度を維持できれば、優勝が一度きりではないことを示すシーズンになります。

開幕4連敗のあと2連勝。開幕後にパブロ・アギラール選手が加わった

開幕前の本文では、HC交代と主力の退団を踏まえ、9月時点の長崎は「王者の完成ロスター」ではなく、開幕後も編成が動く可能性を残していると書きました。2026年10月10日終了時点の長崎ヴェルカのロースターには、実際に開幕後に加わった選手がいます。#34 パブロ・アギラール選手。PFで、リーグ登録国籍はスペイン、204cm/103kgです。編成が動くという見立ては、この形で現実になりました。

成績は2勝4敗で西地区8位。総得点427、総失点478で、得失点差は-51です。開幕はホームの島根戦を64-89、78-85で連敗し、続くアウェイの京都戦も76-84、65-90。そこから10月8日のホーム信州戦を74-71、10月10日のホーム群馬戦を70-59で取り、連続はW2となりました。ホームは2勝2敗、アウェイは0勝2敗です。

開幕前に挙げた「昨季91.2得点のオフェンスをどんな配分へ作り直すのか」という問いについて、直近2勝の得点は74点と70点、失点は71点と59点でした。昨季とは違う点の推移になっていますが、6試合で新しい形が固まったと言うには早く、当サイトとしても方向を断定しません。ホーム平均入場者数は5,700人(ホーム4試合・当サイト集計)です。

選手情報はB.LEAGUE公式サイトおよび長崎ヴェルカ公式サイトの発表をもとに作成。戦力分析は当サイトの見解・予測であり、客観的な事実の報道ではありません。