クラブ紹介 vol.17 B.PREMIER・北から順に

名古屋ダイヤモンドドルフィンズ

2026-27シーズン開幕ロースターを一挙紹介。戦力の見どころをまとめます。

2026-27シーズン ロースター
#選手名POSメモ
2齋藤拓実PG継続
3加藤嵩都PG継続
4小澤飛悠SF継続
5アイザイア・マーフィーPG/SG継続
8張本天傑SF/PF継続
11ライアン・ルーサーC/PF新加入外国籍大阪から
12中東泰斗SG継続
23ジェイク幸輝・ホルツSF継続
30今村佳太SG/SF継続
31若野瑛太SGU22枠・ユース優先交渉権
42クエンティン・ミロラ・ブラウンC新加入アジア特別枠千葉Jから
43スコット・エサトンC/PF継続外国籍
50アーロン・ヘンリーSF継続外国籍
戦力分析

この戦力分析は開幕前に書いたものです。2026年10月10日終了時点の名古屋ダイヤモンドドルフィンズは4勝0敗で、B.LEAGUE公式順位表では西地区2位。この時点ではまだホーム開催がありません。

北から順にお届けしているB.PREMIERクラブ紹介。第17回は名古屋ダイヤモンドドルフィンズです。

ホームアリーナはIGアリーナ。2026-27シーズンはB.PREMIER西地区を戦います。

昨季は41勝19敗。

得失点差は+471。

チャンピオンシップではセミファイナルまで進みました。

それでも、このオフにヘッドコーチを替えました。

強い土台を残したまま、指揮官を変える。

今季の名古屋Dは、その難しい選択から始まります。

41勝、+471。それでもファイナルには届かなかった

2025-26シーズンは41勝19敗。

総得点4973、総失点4502。得失点差は+471でした。

1試合平均にすると82.9得点、75.0失点。

数字だけなら、かなり完成度の高いチームです。

チャンピオンシップでもクォーターファイナルを突破しましたが、セミファイナルでは琉球ゴールデンキングスに65-85、74-90で連敗。

ファイナル進出はなりませんでした。

昨季はスコット・エサトン選手が終盤に負傷し、CSでは出場できないなど、万全な状態で最後まで戦えなかった面もあります。

それでも、クラブは「同じことをもう一年」ではなく、次の段階へ進む判断をしました。

ショーン・デニスHCからロイ・ラナHCへ

今季のヘッドコーチはロイ・ラナ氏です。

カナダ代表各年代、NBAサクラメント・キングスのアシスタントコーチ、京都ハンナリーズ、ヨルダン代表などを経験してきました。

クラブが招聘理由として強調しているのは、戦術だけではありません。

選手育成。

組織づくり。

挑戦する文化を根付かせる力。

昨季までのショーン・デニスHCは5シーズンにわたってドルフィンズの攻撃的なスタイルを作りました。

そのHCが東京サンロッカーズへ移り、今度はラナHCが引き継ぐ。

名古屋Dはゼロから始めるチームではありません。

むしろ、すでに強いチームを壊さずに別の指揮官がどこまで上積みできるかが問われます。

ロスターは大きく変えなかった

選手は13人。

昨季の中心はほとんど残りました。

齋藤拓実選手。

中東泰斗選手。

今村佳太選手。

張本天傑選手。

スコット・エサトン選手。

アイザイア・マーフィー選手。

アーロン・ヘンリー選手。

ここへ新たにライアン・ルーサー選手、クエンティン・ミロラ・ブラウン選手が加わります。

ルーサー選手は大阪でBリーグを経験済み。

ミロラ・ブラウン選手は千葉Jから加入するビッグマンです。

さらに若野瑛太選手は、名古屋D U18からユース優先交渉権を使ってU22枠でトップチームへ。

今季の名古屋Dは、「補強した人数」よりも「残した人数」に意味があります。

HCは変えた。

でも、選手まで総入れ替えはしなかった。

平均75.0失点。その守備を新HCがどう扱うか

昨季の名古屋Dは、得失点差+471という数字以上に守備が安定していました。平均失点は75.0。41勝できた土台は、華やかなオフェンスだけではありません。

そのチームからショーン・デニスHCが東京SRへ移り、ロイ・ラナHCが就任しました。ラナHCはカナダ代表など国際舞台で豊富な経験を持ち、クラブ側も「これまで築いたものへの敬意」を強調しています。つまりHC交代は、前体制を否定して別物へ作り変えるためではありません。

ロスターもその考え方を反映しています。齋藤拓実選手、今村佳太選手、中東泰斗選手、スコット・エサトン選手、アーロン・ヘンリー選手ら中心選手が継続。新加入はライアン・ルーサー選手、クエンティン・ミロラ・ブラウン選手など、必要なサイズと役割を足す形です。

昨季はエサトン選手が終盤に負傷し、CSでプレーできませんでした。それでも宇都宮を2連勝で破ってセミファイナルへ進出。ロスター全体の対応力は示しましたが、琉球には65-85、74-90で敗れました。

この差をどう埋めるのか。大きく壊さなかったからこそ、新HCがどこへ手を入れたのかが見えやすいシーズンです。守備の75点台を維持しながら、プレーオフで相手がスカウティングを深めてきたときに、オフェンスの解決策を増やせるか。41勝から上へ進む鍵は、そこにあります。

中東選手とエサトン選手がコーキャプテンを務める体制も、継続性を象徴しています。新しいHCのチームですが、クラブの中核は昨季の勝ち方を知っています。

新加入ビッグマンが「弱点補強」ではなく選択肢になる

ライアン・ルーサー選手とクエンティン・ミロラ・ブラウン選手の加入は、昨季のインサイドが弱かったからという単純な補強ではありません。エサトン選手が健康なときの名古屋Dは十分に強く、むしろ今季はB.PREMIERのルールに合わせてフロントコートの組み合わせを増やす意味が大きいです。

ルーサー選手は外へ広がれるPF/C。ミロラ・ブラウン選手はよりリング周辺でサイズを生かせるC。エサトン選手、アーロン・ヘンリー選手と合わせれば、相手のタイプに応じて「走れる大きさ」「外へ広がる大きさ」「ペイントを守る大きさ」を選べます。

また、若野瑛太選手がU22枠でロスターへ入ったことも長期的には重要です。即座に主力になることだけを求めるのではなく、既存の代表級・ベテラン選手と同じ環境で育成できる。新リーグではサラリーキャップやドラフトも含め、若手の育成がクラブ経営と直結していきます。

41勝したチームが、完成品のスターだけを足すのではなく、ローテーションの幅と未来の層を同時に作る。名古屋Dの補強はそこに特徴があります。

新体制の立ち上がりでは、齋藤選手の存在も大きいでしょう。PGとしてデニスHC時代の約束事を知りながら、ラナHCの新しい要求を最も早く整理できるポジションです。攻守の切り替えやセットへの入り方が変わったとき、司令塔がどれだけ迷わずチームを動かせるかは、新HC初年度の完成度を左右します。

見どころ

一番見たいのは、ラナHCが何を“足す”かです。

昨季の平均失点は75.0。

守備はすでにリーグ上位水準でした。

得失点差も+471。

大きな弱点が分かりやすく存在するチームではありません。

だからこそ難しい。

齋藤選手とエサトン選手のピック&ロール。

今村選手の1対1。

中東選手の守備と万能性。

こうした既存の強みを消さず、試合終盤の選択肢やローテーションの幅を増やせるか。

B.PREMIERでは外国籍選手のオンザコート制限がなくなるため、エサトン選手、ルーサー選手、ミロラ・ブラウン選手、ヘンリー選手の組み合わせも重要になります。

昨季は41勝してセミファイナル。

今季求められる基準は、それより先です。

開幕は9月26日(土)。

アウェーで川崎ブレイブサンダースと対戦します。

ホーム開幕は10月30日(金)。

IGアリーナに滋賀レイクスを迎えます。

41勝のチームを大きく壊さず、HCだけを変えた。

この選択が「変えすぎなかった強さ」になるのか、「変化の難しさ」になるのか。

名古屋Dは、開幕から完成度を求められるチームです。

今季を測る最初の基準

名古屋Dは、長く続いたデニス体制からの移行をどこまで滑らかに進められるかが最大のポイントです。選手の判断を生かす文化を残しつつ、新しい指揮官の色を加える。大きく変えすぎても、何も変わらなくても難しい。そのバランスが序盤戦から問われます。

開幕4連勝。すべてアウェイで、80点を上回る失点がまだない

開幕前に当サイトが置いた論点は、5シーズン続いたショーン・デニスHC体制からロイ・ラナHCへの移行を、強いチームを壊さずに進められるかでした。2026年10月10日終了時点で名古屋Dは西地区2位の4勝0敗。総得点358、総失点294、得失点差は+64です。4試合はいずれもアウェイ開催でした。

開幕前に触れた昨季の平均失点75.0という土台について言えば、ここまでで最も失点した試合が10月4日の島根戦の80点で、それを上回った試合はありません。9月26日の川崎戦は93-63、27日が90-78、10月3日の島根戦が85-73。得点側も4試合すべてで85点以上を記録しています。HC交代による立ち上がりのつまずきは、この4試合には出ていません。

ただし4試合、しかもすべてアウェイで、相手も川崎と島根の2クラブに限られます。長いシーズンのどこで新しい指揮官の色が出るのかを、この段階で判断するのは難しいところです。当サイトとしては「序盤4試合は移行の負担が数字に表れなかった」という範囲にとどめておきます。ホーム開催はこの時点ではまだなく、判断材料は4試合分のアウェイだけです。

選手情報はB.LEAGUE公式サイトおよび名古屋ダイヤモンドドルフィンズ公式サイトの発表をもとに作成。戦力分析は当サイトの見解・予測であり、客観的な事実の報道ではありません。