クラブ紹介 vol.15 B.PREMIER・北から順に

三遠ネオフェニックス

2026-27シーズン開幕ロースターを一挙紹介。戦力の見どころをまとめます。

2026-27シーズン ロースター
#選手名POSメモ
2ジェイク・ヴァン・タバーゲンSF/PF新加入外国籍ギリシャから
7テレンス・デイビスSG/SF新加入外国籍NBA経験
10菅澤紀行PF新加入長崎から
11浅井英矢SF継続
13二上耀SG新加入千葉Jから
14湧川颯斗PG/SG継続
15兪龍海SF新加入横浜BCから期限付移籍
20根本大PG継続
21ヴィット・ブラウンC/PF新加入外国籍
24佐々木隆成PG/SG継続キャプテン
28津屋一球SG継続バイスキャプテン
33児玉ジュニアPG/SG継続
55ジョシュ・ハレルソンC/PF新加入帰化選手佐賀から
戦力分析

この戦力分析は開幕前に書いたものです。2026年10月10日終了時点の三遠ネオフェニックスは5勝0敗で、B.LEAGUE公式順位表では西地区3位。この時点ではまだホーム開催がありません。

北から順にお届けしているB.PREMIERクラブ紹介。第15回は三遠ネオフェニックスです。

2026-27シーズンはB.PREMIER西地区。ホームゲームは豊橋市総合体育館などで開催します。

ここ2シーズンの三遠を知っていると、昨季の36勝24敗は少し不思議な数字に見えます。

強い。

でも、チャンピオンシップには届かなかった。

平均85.9得点を記録しながら、シーズンはそこで終わりました。

36勝24敗。攻撃力は残ったが、CSには届かなかった

2025-26シーズンは36勝24敗。

総得点5152、総失点4986。得失点差は+166でした。

1試合平均85.9得点。

得点力は十分です。

一方、平均失点は83.1。

勝ち越しているのに、トップ争いへ入り切れなかった理由はこのバランスにあります。

三遠はその前のシーズンまで地区上位を走り続け、リーグを代表する攻撃型チームになっていました。

だから今オフのテーマは、「点を取れるチームを作る」ではありません。

すでにある攻撃力を残しながら、勝ち切るための構成を変えることです。

13人中7人が新加入。かなり大きく動いた

今季のロスターは13人。

新加入は7人です。

ジェイク・ヴァン・タバーゲン選手。

テレンス・デイビス選手。

菅澤紀行選手。

二上耀選手。

兪龍海選手。

ヴィット・ブラウン選手。

ジョシュ・ハレルソン選手。

昨季から半分以上が入れ替わりました。

中でもテレンス・デイビス選手はNBAでトロント・ラプターズ、サクラメント・キングスでプレーした経験を持つウイング。

ヴァン・タバーゲン選手、ブラウン選手も欧州でプレーしてきた大型フォワードです。

佐々木隆成選手、湧川颯斗選手、津屋一球選手、根本大選手ら日本人の軸は残しながら、外国籍を中心に構成をかなり変えました。

大野篤史HCは続投。選手は変わっても基準は変えない

ヘッドコーチは大野篤史氏が続投します。

三遠を「速く、攻撃的で、見ていて面白いチーム」へ変えてきた中心人物です。

キャプテンは佐々木隆成選手。

4シーズン連続で務めます。

バイスキャプテンは津屋一球選手。

ロスターは変わった。

でも、チームの中心となる日本人選手とHCは残した。

ここが三遠の今オフです。

完全なリセットではありません。

大野HCのバスケットを知る選手を土台に、外国籍選手をB.PREMIER仕様へ入れ替えた、と見る方が近いでしょう。

抜けた主力も大きい。だから「7人加入」だけでは見えない

三遠は7人を加えましたが、同時に昨季までの主力もかなり動きました。デイビッド・ヌワバ選手は琉球へ。ジェイク・レイマン選手とシェーファー アヴィ幸樹選手は仙台へ。吉井裕鷹選手は茨城へ移籍しました。

つまり今季は、ベンチの枚数を増やした補強ではありません。昨季のローテーションを担った選手が抜け、その役割を別タイプの選手へ置き換えています。

中でもテレンス・デイビス選手は注目度が高い存在です。NBAでトロント、サクラメント、ミルウォーキーなどに在籍した経験を持つ193cmのウイング。ボールを持って得点を作れるため、昨季までヌワバ選手らが担っていた「個で局面を変える役割」の新しい候補になります。

一方、ジョシュ・ハレルソン選手はBリーグ経験が長く、外のシュートもあるビッグマン。ヴィット・ブラウン選手やジェイク・ヴァン・タバーゲン選手と組み合わせれば、フロントコートの形も複数作れます。新加入が多いからこそ、全員を同じ役割へ当てはめるのではなく、大野篤史HCが相手ごとに何を選ぶかが重要です。

大野HCは続投し、佐々木隆成選手も4季連続でキャプテン。チームの基準を知る人は残っています。だから今季の三遠は「新しいチーム」ではあるものの、「ゼロから文化を作るチーム」ではありません。

36勝から上へ行くには、新戦力の能力だけでなく、昨季までの三遠らしいテンポ、スペーシング、守備強度をどれだけ早く新しい顔ぶれへ移せるか。入れ替えの大きさと継続する文化。その両方を見るシーズンです。

36勝からの「再挑戦」は、序盤の完成度が鍵

昨季の36勝は、CS出場ラインへ届かなかったとはいえ、チームとして力がなかった数字ではありません。得失点差もプラス。だから今季は、7人を入れ替えたことで昨季までの強みまで薄れてしまわないことが大切です。

特に三遠はホーム開幕が12月までありません。シーズン最初の2か月以上を、ホームゲームによる連続した後押しを受けにくい日程で戦います。新加入選手が多いチームにとって、移動を重ねながら連携を作るのは簡単ではありません。

そこで中心になるのが、佐々木選手と津屋選手です。大野HCの要求を知るガードがコート上で基準を示し、新加入のデイビス選手やハレルソン選手へ「三遠ではどこまで走るのか、どこで守備強度を上げるのか」を伝えられるか。HCの言葉だけでなく、選手間で基準を共有できることが序盤の安定につながります。

昨季CSへ届かなかった悔しさはありますが、今季はリーグ自体が新しくなります。36勝を何勝へ増やすかという単純な続きではなく、B.PREMIERの外国籍起用や相手の大型化に合わせて、自分たちの速さをどう残すか。その再設計が必要です。

また、今季の三遠はB.PREMIER西地区で三河、名古屋D、琉球など昨季40勝級のクラブと並びます。36勝という実績があっても、同じペースで勝つだけでは上位が保証されません。新加入7人を早く戦力化し、昨季の得失点差+166をさらに伸ばせるかが重要です。

開幕直後の数試合で、新加入組の役割が見えてくるはずです。

見どころ

見たいのはディフェンスです。

テレンス・デイビス選手が何点取るか。

ヴァン・タバーゲン選手がどれだけ3ポイントを決めるか。

もちろんそこも楽しみです。

ただ、昨季85.9得点を取っていたチームです。

問題は、83.1失点をどうするか。

ここが変わらないままなら、攻撃の名前が豪華になっても勝ち星は大きく増えません。

B.PREMIERでは外国籍選手を複数同時に使えます。

デイビス選手、ブラウン選手、ヴァン・タバーゲン選手、ハレルソン選手をどう組み合わせ、相手のサイズに対してどう守るのか。

大野HCの新しい挑戦は、オフェンスよりむしろそちらかもしれません。

そして今季の三遠には、日程上かなり珍しい特徴があります。

開幕は9月25日(金)。

アウェーで茨城ロボッツと対戦します。

一方、ホーム開幕は12月4日(金)のレバンガ北海道戦。

シーズンが始まってから2か月以上、リーグ戦のホームゲームを待つことになります。

序盤を遠征中心でどう乗り切るか。

新加入7人のチームにとって、これは簡単な条件ではありません。

36勝してもCSへ届かなかった昨季。

今季は選手を大きく変えながら、勝ち方まで変えられるか。

三遠を見るなら、得点数より失点数に注目したいと思います。

今季を測る最初の基準

三遠は、ここ数年で築いた攻撃力を維持しながら、新しいローテーションでも同じテンポと判断速度を出せるかが重要です。主力が変わっても「三遠らしい攻撃」が続くのか、それとも別の強みを加えるのか。開幕直後のオフェンス効率が、今季の方向を早く示してくれそうです。

遠征続きの序盤を、アウェイ5勝0敗で通過した

開幕前に当サイトが気にしていたのは日程でした。ホーム開幕が12月4日で、シーズン最初の2か月以上をホームゲームの後押しなしに戦う。新加入7人のチームにとって簡単な条件ではない、という読みです。2026年10月10日終了時点の順位は西地区3位、5勝0敗。5試合すべてがアウェイで、アウェイ5勝0敗。この心配は、少なくともここまでは当たっていません。移動を重ねながら連携を作るのは難しいと書いた部分を、当サイトは読み違えていたことになります。

もう一つ挙げたのが失点です。昨季の1試合平均83.1失点が変わらなければ勝ち星は大きく増えない、得点より失点に注目したい、と書きました。5試合の総得点444、総失点388で、得失点差は+56。10月3日の佐賀戦は97-61でした。一方で10月4日の佐賀戦は93-89、10月10日の信州戦は83-81と、終盤までもつれた試合も含まれています。

新加入選手が役割を固めるまでには時間がかかる、という前提で当サイトは開幕前の原稿を書きましたが、5試合で5勝という立ち上がりはその読みより速いペースです。ただ、まだ5試合で、しかも全試合がアウェイ。豊橋市総合体育館などでのホームゲームを一つも戦っていない状態の数字でもあります。大野篤史HCの続投と、佐々木隆成選手の4シーズン連続キャプテンという継続部分がどこまで効いているのかは、もう少し試合数を重ねてからの方が見えてくるはずです。

選手情報はB.LEAGUE公式サイトおよび三遠ネオフェニックス公式サイトの発表をもとに作成。戦力分析は当サイトの見解・予測であり、客観的な事実の報道ではありません。