群馬クレインサンダーズ
2026-27シーズン開幕ロースターを一挙紹介。戦力の見どころをまとめます。
/
| # | 選手名 | POS | メモ |
|---|---|---|---|
| 0 | 藤井祐眞 | PG/SG | 残留 |
| 1 | コー・フリッピン | PG/SG | 残留 |
| 4 | トレイ・ジョーンズ | SF | 残留外国籍 |
| 6 | 中村拓人 | PG | 残留 |
| 8 | ケリー・ブラックシアー・ジュニア | PF/C | 継続外国籍昨季B1レギュラーシーズン セカンドチーム |
| 9 | 辻直人 | SG | 残留 |
| 14 | スタンリー・ジョンソン | SF | 新加入外国籍長崎ヴェルカより/昨季ベストファイブ+ベスト6thマン |
| 15 | エージェー・エドゥ | PF/C | 継続アジア特別枠アジア特別枠(フィリピン代表) |
| 16 | 淺野ケニー | SF | 残留 |
| 28 | 鶴巻啓太 | SG/SF | 新加入茨城ロボッツから |
| 29 | 細川一輝 | SG | 残留 |
| 55 | 谷口大智 | PF/C | 残留 |
この戦力分析は開幕前に書いたものです。2026年10月10日終了時点の群馬クレインサンダーズは5勝1敗で、B.LEAGUE公式順位表では東地区2位。ホーム4試合の平均入場者数は5,144人です。
北から順にお届けしているB.PREMIERクラブ紹介。第6回は群馬クレインサンダーズです。
ホームアリーナは太田市飯塚町のオープンハウスアリーナ太田。2026-27シーズンはB.PREMIER東地区を戦います。
今季の群馬は、大きく変えませんでした。
昨季42勝。
東地区で最も少ない失点。
東地区で最も大きな得失点差。
それだけのチームなら、壊す必要はない。
その代わり、足りなかったものをかなり強烈な形でひとつ加えました。
42勝18敗。そして東地区断トツの「+609」
2025-26シーズンは42勝18敗、勝率.700。
千葉ジェッツと同率ながら、東地区3位でした。
数字を見ていくと、昨季の群馬がどんなチームだったのかはかなり分かりやすい。
60試合で4990得点。
4381失点。
1試合平均にすると83.2得点、73.0失点です。
特に目立つのが守備。
4381失点は東地区最少でした。
2番目に少なかった千葉Jが4610失点ですから、その差は229点。
60試合で割っても、約3.8点違います。
そして得失点差は+609。
こちらも東地区1位です。
45勝で地区優勝した宇都宮ブレックスが+329、42勝で2位の千葉Jが+450ですから、この数字はかなり際立っています。
ホーム23勝7敗。
アウェー19勝11敗。
どちらでもしっかり勝っています。
「東地区で最も安定していた」とまで言い切る必要はないでしょう。
ただ、少なくとも得失点差という数字だけを見れば、昨季の東地区で最も相手を圧倒していたチームは群馬でした。
それでもCSでは、「合計得点で勝ってシリーズで負けた」
ところが、チャンピオンシップはクォーターファイナルで終わりました。
相手は千葉J。
GAME1。
群馬は敵地のLaLa arena TOKYO-BAYで87-68。
19点差で先勝します。
ここまでは理想的でした。
しかしGAME2を79-85で落とします。
1勝1敗。
そしてGAME3。
68-72。
4点差で敗れ、群馬のシーズンは終わりました。
この3試合、合計すると群馬は234得点。
千葉Jは225得点です。
群馬の方が9点多い。
それでもシリーズを勝ったのは千葉Jでした。
この数字は、昨季の群馬を象徴しているように思います。
レギュラーシーズン60試合では得失点差+609。
CSでも3試合トータルなら+9。
それでも、最後に必要だった2勝目を取れなかった。
長いシーズンを通した強さと、勝たなければ終わる試合を取り切る強さ。
昨季の群馬に残った宿題は、そこだったのかもしれません。
だから、大きく変えなかった
今オフの群馬は静かでした。
ロスターは12人。
10人が継続し、新加入は2人だけです。
ヘッドコーチも変わりません。
カイル・ミリングHCが3シーズン目を迎えます。
横浜ビー・コルセアーズ、広島ドラゴンフライズを経て、2024年から群馬を指揮。
昨季、東地区最少失点のチームを作ったHCです。
今オフは宇都宮、千葉J、A東京、川崎、茨城、東京SRなど東地区でヘッドコーチ交代が相次ぎました。
その中で、群馬は変えなかった。
藤井祐眞選手。
コー・フリッピン選手。
トレイ・ジョーンズ選手。
中村拓人選手。
ケリー・ブラックシアー・ジュニア選手。
辻直人選手。
エージェー・エドゥ選手。
淺野ケニー選手。
細川一輝選手。
谷口大智選手。
昨季42勝を作った中心が、そのまま残っています。
しかもブラックシアー・ジュニア選手は、昨季のB1レギュラーシーズンセカンドチームに選出されました。
つまり群馬は、昨季うまくいかなかったチームを作り直しているのではありません。
すでに強かったチームを、もう一段上へ持っていこうとしています。
そこにスタンリー・ジョンソンを足した
そして、その「もう一段」のために加えた選手が強烈です。
スタンリー・ジョンソン選手。
198cm、110kg。
2015年のNBAドラフト1巡目8位。
デトロイト・ピストンズ、トロント・ラプターズ、ロサンゼルス・レイカーズ、サンアントニオ・スパーズなどでNBA通算449試合に出場しました。
昨季から長崎ヴェルカでプレー。
58試合に出場し、平均22.8得点、6.3リバウンド、3.9アシスト、1.9スティールを記録しています。
そして、
レギュラーシーズンベストファイブ。
ベスト6thマン。
両方を受賞しました。
これはなかなかありません。
先発したのは11試合。
ベンチスタートでも試合を支配できる。
必要なら自分で点を取りにいける。
フィジカルがあり、複数ポジションを守れる。
昨季すでにリーグ最高水準だったディフェンスを大きく崩さずに、個人で試合を動かせる選手を加えた。
群馬の補強を一言で言えば、そういうことだと思います。
もう一人は鶴巻啓太。派手ではないが群馬らしい補強
もう一人の新加入が鶴巻啓太選手です。
茨城ロボッツから加入。
190cmのSG/SFで、2019年から7シーズンを茨城で過ごしました。
スタンリー・ジョンソン選手ほど派手な名前ではありません。
ただ、こういう選手を取るところも今の群馬らしい。
ウイングで身体を張れる。
ディフェンスができる。
ボールを持たなくても仕事ができる。
昨季作ったチームの強みを変えず、ローテーションへ入れやすいタイプです。
退団したのは佐藤誠人選手とヨハネス・ティーマン選手。
人数だけを見ると、まさに必要なところだけを入れ替えたオフでした。
B.PREMIERの新ルールで、さらに面白くなる
今季の群馬でもうひとつ注目したいのが、外国籍選手の使い方です。
群馬には、
トレイ・ジョーンズ選手。
ケリー・ブラックシアー・ジュニア選手。
スタンリー・ジョンソン選手。
3人の外国籍選手がいます。
そしてアジア特別枠には、フィリピン代表のエージェー・エドゥ選手。
B.PREMIERでは外国籍選手のオンザコートがフリーになります。
外国籍3人と帰化/アジア特別枠1人を同時に起用することも可能です。
つまり群馬は、
ジョーンズ。
ジョンソン。
ブラックシアー。
エドゥ。
この4人を同時にコートへ出すこともできます。
もちろん、常にそれが最適とは限りません。
群馬には藤井選手もいる。
フリッピン選手もいる。
中村選手もいる。
辻選手もいる。
大切なのは「外国籍を4人並べられること」ではなく、相手や時間帯によってまったく違う組み合わせを選べることです。
昨季からほとんどメンバーを変えていないチームが、新しいオンザコートルールをどう使うのか。
ここはかなり面白いと思います。
12人しかいない、ではなく「12人で始める」
元のロスターを見ると、12人という人数が気になります。
宇都宮は16人。
茨城は15人。
それと比べれば少ない。
ただ、「12人だから負傷者が出たら終わる」とまで考える必要はないでしょう。
B.PREMIERでは短期契約制度も導入されます。
最低2週間の契約が可能になり、シーズン途中でロスターを動かす自由度は以前より高くなりました。
現時点で12人というだけで、シーズンを最後まで12人で戦うと決まったわけではありません。
むしろ開幕時点では、昨季を知る10人に、新加入2人。
役割を大きく整理し直さなくてもいいことの方が、序盤戦ではメリットになる可能性があります。
キャプテンは、今年も辻直人
キャプテンは辻直人選手。
昨季に続いて務めます。
そして今季のスローガンが、
「BREAK THE ORDER」
です。
Bリーグが始まって10年。
その10年間で生まれた「常識、秩序、正解」を打ち破る。
クラブはその言葉とともに、B.PREMIER初代チャンピオンを目指すと明言しました。
昨季42勝。
2年連続チャンピオンシップ進出。
東地区最少失点。
得失点差+609。
そこにベストファイブのスタンリー・ジョンソン選手を加えた。
「初代チャンピオン」という言葉を掲げるだけの材料はあります。
見どころ
一番見たいのは、群馬が「僅差の試合」をどう勝つかです。
昨季の数字だけを見ると、かなり強い。
平均得失点差は約+10点。
でも、チャンピオンシップではGAME2を6点差、GAME3を4点差で落としました。
これがバスケットボールの難しいところです。
20点差で1勝しても、4点差で2試合負ければシリーズは終わる。
だから今季、スタンリー・ジョンソン選手に期待されるのは平均20得点を取ることだけではないはずです。
残り3分。
同点。
あるいは2点ビハインド。
そこで一本を作れるか。
昨季の群馬に足りなかった「最後の数ポゼッション」を変えられるか。
そこが一番見たい。
守備はすでにリーグ最高水準です。
その守備を残したまま、接戦を取り切るオフェンスを作れるか。
群馬が次の段階へ進めるかどうかは、そこにあると思います。
プレシーズンでは、すでにジョンソンが中心にいる
ここまでのプレシーズンを見ると、新加入選手がフィットするまで長く待つ必要はなさそうです。
9月5日の茨城ロボッツ戦は80-74。
ジョンソン選手は23得点。
9月9日、フィリピンで行われたレバンガ北海道戦は98-81。
23得点。
翌10日の北海道戦は延長の末101-91。
17得点。
そして13日の東京サンロッカーズ戦は69-54。
この試合は通常の10分×4Qではなく8分×4Qで行われましたが、ジョンソン選手は17得点を挙げています。
プレシーズン4試合。
群馬は4勝。
ジョンソン選手は23、23、17、17得点。
まだ公式戦ではありません。
それでも、新加入選手を一からチームに合わせているというより、すでに昨季の群馬へ新しい武器が組み込まれ始めているようには見えます。
B.PREMIER最初のホームゲームを任された
群馬の開幕は9月24日(木)19時05分。
オープンハウスアリーナ太田にアルティーリ千葉を迎えます。
この試合は単なる開幕戦ではありません。
リーグが選定した5試合の「B.LEAGUE PREMIER OPENING SELECTION」のひとつです。
9月22日のA東京対琉球から始まり、長崎、群馬、佐賀、神戸と続く5試合。
B.PREMIER最初の一週間を象徴するカードのひとつを、群馬がホームで任されました。
翌々日の26日(土)もA千葉戦です。
昨季は42勝。
東地区で最も失点が少なく、最も得失点差が大きかった。
それでも、最後の4点が届かなかった。
だから大きく変えるのではなく、ほとんどを残した。
そして、そこへスタンリー・ジョンソンを加えた。
「BREAK THE ORDER」。
群馬が壊そうとしているのは、昨季までの自分たちではありません。
その先にあった、あと一つ勝てなかった壁なのだと思います。
「最後の数ポゼッション」を見たいと書いた6試合で、1点差と2点差を拾った
開幕前に当サイトが一番見たいと書いたのは、昨季リーグ最高水準だった守備を残したまま、接戦を取り切れるかどうかでした。2026年10月10日終了時点で群馬は東地区2位、5勝1敗です。開幕のA千葉戦は76-74、10月3日の茨城戦は72-71。2点差と1点差の試合を、どちらもホームで取っています。ここだけを見れば、開幕前に挙げた宿題にひとまず答えが出た形です。
守備の側も、6試合の総失点は416、総得点は460で、得失点差は+44。ホームは4勝0敗、ホーム平均入場者数は5,144人(ホーム4試合)でした。一方でアウェイは1勝1敗。10月8日の琉球戦は76-65で勝ち、10月10日の長崎戦は59-70。長崎戦の59得点は、6試合で最も得点が伸びなかった試合になりました。
ただ、6試合という数は、開幕前の見立てが当たったと言えるほどの材料ではありません。接戦で勝った2試合も、点差が1点と2点である以上、別の日なら逆の結果になり得ます。当サイトとしては、ここから同じような終盤がもう何度か来たときに、同じ形で取れるかを見ていきたいところです。
選手情報・成績はB.LEAGUE公式サイトおよび群馬クレインサンダーズ公式サイトの発表をもとに作成。勝敗・得失点は2025-26シーズンのB1順位表(B.LEAGUE公式)の数値です。戦力分析は当サイトの見解・予測であり、客観的な事実の報道ではありません。
Bあれこれ