クラブ紹介 vol.5 B.PREMIER・北から順に

茨城ロボッツ

2026-27シーズン開幕ロースターを一挙紹介。戦力の見どころをまとめます。

2026-27シーズン ロースター
#選手名POSメモ
1レイ・パークスジュニアSG新加入アジア特別枠大阪エヴェッサから
2福澤晃平PG/SG新加入アルバルク東京から
3長谷川暢PG残留
4ヴィック・ローSF/PF新加入外国籍琉球ゴールデンキングスから
5小島元基PG残留
7フィン・ディレイニーPF新加入外国籍NBLメルボルン・ユナイテッドから
8吉井裕鷹SF新加入三遠ネオフェニックスから
10陳岡流羽PG/SG残留
11ティム・ソアレスC新加入外国籍NBLシドニー・キングスから
12赤間賢人SG新規契約B.LEAGUEドラフト2026(1巡目2位)/昨季は特別指定選手として在籍
13中村功平PG/SG残留
14久岡幸太郎PG残留
15前田怜緒SG/SF新加入アルティーリ千葉から
34渡邉飛勇PF新加入信州ブレイブウォリアーズから

平尾充庸選手は2026年9月27日の三遠ネオフェニックス戦をもって現役を引退し、Bリーグ公式の在籍選手一覧でも在籍対象外となりました。上の一覧には含めていません。

ロースター表の更新履歴
  • 平尾充庸(#25 / PG)の現役引退にともない、一覧から除外しました。2026年9月27日の三遠戦が最後の公式戦です。
戦力分析

この戦力分析は開幕前に書いたものです。2026年10月10日終了時点の茨城ロボッツは0勝6敗で、B.LEAGUE公式順位表では東地区13位。ホーム4試合の平均入場者数は4,180人です。

北から順にお届けしているB.PREMIERクラブ紹介。第5回は茨城ロボッツです。

ホームアリーナは水戸市緑町のアダストリアみとアリーナ。2026-27シーズンはB.PREMIER東地区を戦います。

今季の茨城を一言で表すなら、「別のチームになった」が一番近いかもしれません。

選手も変わった。

ヘッドコーチも変わった。

スタッフも変わった。

そしてクラブ自身が、それを「クラブ史上最も大胆な変革」と表現しています。

昨季は19勝41敗。接戦を「勝ち」にできなかった

2025-26シーズンは19勝41敗、勝率.317。

東地区10位でした。

総得点4572、総失点4883。1試合平均では76.2得点、81.4失点。得失点差は-311です。

ホーム10勝20敗。

アウェー9勝21敗。

場所による大きな差はなく、シーズンを通して負け越しました。

ただ、今季の編成を考えるうえで興味深いのは、クラブ自身が昨季をどう分析しているかです。

落慶久GMは、昨季について「どんな相手とも接戦には持ち込めた」と振り返る一方、その接戦を勝ち抜くメンタリティや戦術の遂行力に、強豪クラブとの差があったとしています。

さらに具体的に挙げた課題が、

勝負どころでのインサイドディフェンス。

リバウンド。

3ポイントシュートの確率。

そして安定したスコアリングでした。

ここまで明確に課題を言葉にしているクラブも珍しい。

そして今季のロスターを見ると、その一つひとつに答えを出そうとしたことが分かります。

15人中、新規契約は9人。でも本当の「新顔」は8人

今季のロスターは15人。

そのうち、新規契約として発表された選手は9人です。

ただし、ここは少し整理が必要です。

B.LEAGUE DRAFT 2026で1巡目2位指名を受けた赤間賢人選手は、昨季途中からすでに特別指定選手として茨城でプレーしていました。

今季から正式にプロ契約を結んだため契約上は「新規」ですが、チームにとっては初めましての選手ではありません。

したがって、今オフに外部から加わった新しい顔は8人です。

それでも十分に多い。

ヴィック・ロー選手。

吉井裕鷹選手。

渡邉飛勇選手。

前田怜緒選手。

福澤晃平選手。

レイ・パークスジュニア選手。

フィン・ディレイニー選手。

ティム・ソアレス選手。

顔ぶれを見るだけでも、昨季とはかなり違うチームになることが分かります。

補強のテーマは「サイズ」と「勝ち方を知っていること」

今季の編成で目立つのが、サイズアップです。

211cmのティム・ソアレス選手。

207cmの渡邉飛勇選手。

196cmの吉井裕鷹選手。

191cmの前田怜緒選手。

193cmのレイ・パークスジュニア選手。

これまで以上に、大きさとフィジカルを意識した構成になりました。

クラブも編成コンセプトとして「圧倒的なサイズアップとインテンシティ」を掲げています。

昨季、勝負どころのインサイド守備とリバウンドを課題に挙げたチームが、211cmと207cmの選手を加え、日本代表クラスのウイングまで補強した。

かなり分かりやすい答えです。

ただ、今季の補強にはもうひとつテーマがあります。

「勝った経験」です。

象徴的なのがヴィック・ロー選手。

琉球ゴールデンキングスなどで5シーズン連続チャンピオンシップファイナルを経験してきた選手です。

福澤晃平選手も昨季アルバルク東京で天皇杯優勝を経験。

吉井選手、渡邉選手も日本代表経験を持っています。

昨季の茨城に足りなかったものを、単純な能力だけではなく、「勝負どころでどう振る舞うか」という経験まで含めて補おうとしているように見えます。

クラブはこれを「チャンピオンシップ・マインドの注入」と表現しました。

少し強い言葉ですが、今回の補強を見ると意味は分かります。

ヘナレHCは「島根から来た」のではない

ヘッドコーチも変わりました。

クリス・ホルムHCが契約満了で退団し、後任としてポール・ヘナレ氏が就任しました。

ニュージーランド出身の47歳。

選手としてシドニー、アテネの2大会でオリンピックに出場。

指導者としてはニュージーランド代表、香川ファイブアローズ、島根スサノオマジックなどを率いてきました。

ここで重要なのは、その直前です。

2021-22シーズンから4年間、島根のヘッドコーチを務めたあと、昨季は長崎ヴェルカのアソシエイトヘッドコーチを務めました。

そして長崎はB1優勝。

つまりヘナレHCは、チャンピオンチームのベンチから茨城へ来ています。

クラブが今季求めている「勝ち方を知っている人材」という意味では、選手補強とHC人事は一本につながっています。

目指すスタイルも明確です。

堅守速攻。

激しいディフェンスからトランジションへ出る。

茨城がこれまで大切にしてきた「NATTOマインド」の中にも、「Transition wo Hayaku」「Tight na Defense de」という言葉があります。

全部を捨てて作り直すわけではありません。

これまで持っていたものを残しながら、その強度を一気に上げようとしている。

今季の「大改造」は、そういう性格のものだと思います。

実は選手だけではない。スタッフもかなり変えた

今回の茨城は、ロスターだけを見ていると少し見落とすものがあります。

スタッフです。

ヘナレHCだけではありません。

昨季優勝した長崎から弓波英人AC。

EASLを制した宇都宮からトレント・アダムAC。

島根時代にヘナレHCの下で働いたディオン・プリュースター氏もプレイヤーディベロップメントコーチとして加入しました。

さらにハイパフォーマンスディレクターを新設。

ビデオ分析も1人から2人体制へ。

新しい練習場も6月から使用を始めています。

ここまで来ると、単なる選手補強ではありません。

クラブはB.PREMIER元年に合わせて、トップチームを支える仕組みそのものを変えようとしています。

15人から14人へ ― 平尾充庸のラスト2ゲーム

今季の開幕ロスターは15人でした。

ただ、この数字はシーズンを通して続くわけではありません。

平尾充庸選手がいるからです。

6月18日、平尾選手は契約継続と同時に、2026-27シーズンをもって現役を引退すると発表しました。

昨季序盤に大怪我を負い、出場は7試合。

長いリハビリを経て、「もう一度、茨城のユニフォームを着てコートに立ちたい」という思いから短期契約を結びました。

そして9月13日。

本人から、引退の日が明かされました。

9月27日。

ホーム開幕2戦目の三遠ネオフェニックス戦です。

つまり平尾選手に残された公式戦は、開幕週末の2試合だけ。

今季は「ラストシーズン」というより、「ラスト2ゲーム」から始まります。

2017-18シーズンから茨城に在籍。

B2を知り、B1昇格を知り、そして最後にB.PREMIERのコートへ立つ。

大量に新しい選手が入ったチームの中で、クラブの過去を最も知る選手が、新しい時代の最初の週末でユニフォームを脱ぎます。

今季の茨城を象徴する場面のひとつになるでしょう。

そして実際に、平尾選手は9月27日の三遠戦でコートを去りました。ロスターはここから14人で回っていきます。

キャプテンは、変えなかった

これだけチームを変えながら、キャプテンは変えませんでした。

長谷川暢選手。

3シーズン連続です。

15人中9人が新規契約。

HCも変わった。

スタッフも変わった。

そんなチームだからこそ、クラブの基準を知る選手を中心に置いた。

この人選は自然です。

長谷川選手自身も「これまでのロボッツの良さ」と、新加入選手が持っている「勝ちへのこだわり」を融合させたいと話しています。

今季の茨城がうまくいくかどうかは、まさにそこだと思います。

見どころ

これだけ補強すると、どうしても選手の名前に目が行きます。

でも、個人的に最初に見たいのは「守れるか」です。

昨季の平均失点は81.4点。

単純にこの数字が何点減るかという話だけではありません。

勝負どころでリバウンドを取れるか。

相手のドライブに身体を当てられるか。

1ポゼッション守り切れるか。

クラブ自身が昨季の課題として挙げた部分が、ロー、吉井、渡邉、ソアレス、ディレイニーらの加入でどう変わるのか。

そこを見たいと思います。

もうひとつは、オフェンスです。

昨季は平均76.2得点。

3P成功率は33.2%でした。

これを変えるために、211cmながら外からも打てるソアレス選手、得点能力のあるロー選手、サイズのあるハンドラーとして前田選手らを加えました。

サイズを上げながら、遅くならない。

むしろ守って走る。

それがヘナレHCの狙いでしょう。

プレシーズンですでに見えているもの

ここまでのプレシーズンを見ると、少し興味深いことがあります。

9月12日の東京サンロッカーズ戦。

9月13日の信州ブレイブウォリアーズ戦。

そして9月15日の琉球ゴールデンキングス戦。

3試合とも先発は同じでした。

長谷川暢選手。

ヴィック・ロー選手。

吉井裕鷹選手。

ティム・ソアレス選手。

前田怜緒選手。

5人のうち4人が今季の新加入です。

大量補強したチームが、新加入選手を少しずつ既存のチームへ混ぜているわけではありません。

最初から新しいチームを作ろうとしている。

その意思は、先発を見るだけでも分かります。

結果は群馬戦が74-80。

東京SR戦は93-93。

信州戦は90-70。

9月15日の琉球戦も60-60の引き分けでした。

まだプレシーズンです。

ただ、東京SR戦ではロー選手が32得点7アシスト。

信州戦では13得点9リバウンド10アシスト。

新しい中心選手が誰なのかは、すでにかなり見え始めています。

開幕は三遠。そして吉井の古巣戦、平尾のラストゲーム

リーグ戦は9月25日(金)19時05分。

アダストリアみとアリーナに三遠ネオフェニックスを迎えます。

翌27日(日)は13時05分……ではなく、13時00分開始です。

吉井裕鷹選手にとっては、いきなり古巣との対戦。

そして27日が、平尾充庸選手の現役最後の試合となりました。

19勝41敗から、選手を大幅に入れ替えた。

優勝を知るヘッドコーチを呼んだ。

勝った経験を持つ選手を集めた。

クラブは今季のスローガンを、

「GAME CHANGER ― 破壊的躍進」

としました。

強い言葉です。

目標も2031年の日本一ではなく、クラブ自身が「2031年日本一の早期実現」と表現するほど前倒しされています。

だから今季の茨城は、「昨季より何勝増えるか」だけを見ても少し物足りません。

これだけ変えて、本当に強豪クラブの側へ行けるのか。

その挑戦自体が、今季の見どころです。

そして、その新しい茨城の最初の週末に、これまでの茨城を知る平尾充庸選手が最後のユニフォームを着た。

B.PREMIER元年。

茨城ロボッツにとっては、文字通りひとつの時代が終わり、次の時代が始まる開幕になります。

6敗のうち5試合が9点差以内。昨季挙げた課題がそのまま並んだ

開幕前、当サイトは茨城を「別のチームになった」と書きました。落慶久GMが昨季の課題に挙げた勝負どころのインサイドディフェンス、リバウンド、3ポイントの確率、安定したスコアリング。そこに新しい選手とヘッドコーチをそろえた編成を、課題に対する分かりやすい答えだと見ました。2026年10月10日終了時点の成績は0勝6敗で東地区13位です。

スコアを並べると、三遠戦82-90と75-81、群馬戦71-72と77-86、広島戦86-90、宇都宮戦79-90。6試合のうち5試合が9点差以内で、群馬戦の71-72は1点差でした。総得点470、総失点509で、得失点差は-39。「どんな相手とも接戦には持ち込めた」という昨季の形が、序盤6試合にもそのまま出ています。

当サイトは、補強によってその接戦の結果が変わるところを見たいと書きました。10月10日終了時点では、その変化は勝敗の形には表れていません。6試合で結論を出せる話ではありませんが、編成を大きく変えたことがすぐ数字に反映されると見た当サイトの読みは、序盤に限れば急ぎすぎていました。ホームは0勝4敗、アウェイは0勝2敗。ホーム平均入場者数は4,180人(ホーム4試合)です。

選手情報・成績はB.LEAGUE公式サイトおよび茨城ロボッツ公式サイトの発表をもとに作成。勝敗・得失点は2025-26シーズンのB1順位表(B.LEAGUE公式)の数値です。戦力分析は当サイトの見解・予測であり、客観的な事実の報道ではありません。