山口パッツファイブ
2026-27シーズン開幕ロースターを一挙紹介。戦力の見どころをまとめます。
| # | 選手名 | POS | メモ |
|---|---|---|---|
| 1 | 板橋 真平 | PG | 新加入 |
| 2 | ヘイデン・ディークハンス | PF | 新加入外国籍 |
| 5 | ケレンベアガー マシュウ翔 | SF | 新加入 |
| 7 | マイク・エドワーズ | C | 新加入外国籍 |
| 11 | 山口 力也 | SG | 継続 |
| 14 | 下田平 翔 | PG/SG | 新加入 |
| 24 | 田中 勇樹 | PG/SG | 継続 |
| 28 | 井手 優希 | PG | キャプテン |
| 29 | 田中 翔大 | SG | 副キャプテン |
| 31 | チャナティップ・ジャクラワン | C/PF | 新加入アジア特別枠 |
| 32 | ベルナルド・ダ・シルバ | PF | 新加入外国籍 |
| 36 | 榎田 拓真 | SG | 継続 |
| 77 | デモンテ・フラニガン | SF | 新加入外国籍 |
ヘッドコーチはミラン・ミトロヴィッチ。B.LEAGUE公式の在籍登録は13名です(2026年10月12日時点)。「新加入」「継続」はクラブ公式の発表にもとづく記載です。バッジはリーグ登録国籍にもとづき、日本以外の国籍を「外国籍」、B.LEAGUEが定めるアジア特別枠の14の国と地域の国籍を「アジア特別枠」、公式に帰化選手と発表されている選手を「帰化選手」としています。
この戦力分析は開幕前の時点で書いたものです。2026年10月12日時点の山口パッツファイブは3勝3敗です。本文は外国籍をディークハンス、エドワーズ、ダ・シルバの3人として書いていますが、上のロースター表にはこの3人に加えて#77 デモンテ・フラニガン(外国籍)も含まれます。
B.NEXTクラブ紹介、最後の第4回は山口パッツファイブです。
昨季はB3で13勝39敗。今季はB.NEXTへ舞台を移し、しながわシティ、ウォルガ湘南、ヴィアティン三重と48試合を戦います。
4クラブの中で山口が少し違うのは、選手だけでなくクラブの経営体制まで大きく変えたことです。新しいヘッドコーチ、新しい社長、新しいGM、8人の新戦力。2026-27シーズンは「昨季からどれだけ上積みするか」というより、クラブ全体を別の段階へ進めるための1年になります。
13勝39敗。3ポイント28.4%が示した攻撃の苦しさ
2025-26シーズンは13勝39敗。平均73.0得点、82.5失点でした。
数字の中で特に目につくのは3ポイント成功率28.4%。平均8.0本を決めていますが、28.3本打っての数字です。外から効率よく点を取れなかったことで、相手はインサイドを守りやすくなり、攻撃全体のスペースも狭くなりました。
一方、平均8.9スティールは悪くありません。ターンオーバーも12.6本で、三重の17.3本と比べれば抑えられています。つまり、全部が悪かったわけではない。
守備でボールを奪う。攻撃を始めるところまではできる。ただし最後に点へ変える効率が足りない。その構造が13勝という結果につながりました。
今季の編成を見ると、クラブがこの課題を「シューターを一人加える」だけで解決しようとしていないことが分かります。むしろインサイドを厚くし、中から外へ攻撃を作り直そうとしているように見えます。
外国籍・アジア枠をまとめて入れ替えた
新加入のフロントコートはかなり特徴的です。
ヘイデン・ディークハンス、マイク・エドワーズ、ベルナルド・ダ・シルバ。さらにアジア枠でタイ代表経験を持つチャナティップ・ジャクラワンが加わりました。
昨季の山口は平均34.3リバウンド。4クラブの昨季数字を比べても多い方ではありません。ここにサイズと強さを足した意味は大きいでしょう。
インサイドで得点できれば、相手はペイントを固めざるを得ません。そこからキックアウトして、山口力也、田中翔大、榎田拓真らのアウトサイドへつなぐ。昨季28.4%だった3ポイントを、単に「もっと決めよう」とするのではなく、より良い状態で打たせるための構造を作る。
それが今季の山口の攻撃を考えるうえで、一つのポイントになりそうです。
ガードも厚くなりました。キャプテンの井手優希に加え、横浜エクセレンスから板橋真平、アースフレンズ東京Zから下田平翔が加入。田中勇樹も残っています。
昨季から残る5人に新加入8人。半分以上が変わったロスターだからこそ、ガード陣がどれだけ早く全体をつなげられるかが重要になります。
セルビア出身のミトロヴィッチHC。勝ち方そのものを変える
新ヘッドコーチはミラン・ミトロヴィッチ氏です。
セルビア出身。ルーマニアやポーランドでアシスタントコーチを経験し、ルーマニア、台湾ではヘッドコーチを務めてきました。日本での指揮は新しい挑戦になります。
B.NEXTは日本のバスケットを覚えるには、ある意味で特殊なリーグです。対戦相手は3クラブしかいない。1回戦って終わりではなく、相手もこちらを覚え、こちらも相手を覚えていく。
欧州系のコーチに期待されるのは、セットプレーの数ではなく、相手の修正に対してさらに修正を重ねることです。16回対戦する相手なら、一つのアクションが通用しなくなったあとに、そこから派生する次の選択肢を作れるかが重要になります。
ミトロヴィッチHCにとっても、この4クラブ制はかなり興味深い環境になるはずです。
コート外も「新体制」
今季の山口を語るうえで、チーム編成だけを見ていては足りません。
8月には運営会社が新経営体制を発表。河村卓氏が代表取締役社長に就任し、9月から仲摩匠平氏が執行役員GMに就任しました。山口産業株式会社が運営会社を100%子会社化し、クラブは競技面と事業面の双方でB.ONE参入を目標に掲げています。
これはB.NEXTというリーグの意味そのものにもつながります。
B.革新後のカテゴリーは、コートの勝敗だけで自動的に上がる仕組みではありません。競技力と同時に、売上、集客、アリーナなどクラブとしての力を高める必要があります。
山口はそこに経営から手を入れました。
今季のスローガンは「山口から、熱狂を。」。この言葉も、単にホームゲームを盛り上げるという意味だけではないでしょう。勝てるチームを作り、観客を増やし、地域との接点を広げ、その結果として次のカテゴリーへ進む。今季はその土台を一つずつ作る年になります。
キャプテン井手優希が、新旧をつなぐ
キャプテンは井手優希。副キャプテンは田中翔大です。
この人選は、大きく変わったチームにとって重要です。
井手は昨季から山口でプレーし、今季もキャプテンを継続。新加入が8人いる中で、クラブの昨季を知る選手が基準を示せる。田中翔大も継続組です。
新しいHC、新しい外国籍、新しい経営体制。変化が多いシーズンでは、「新しいもの」ばかりに目が向きます。しかし実際のチーム作りでは、去年からいる選手が新加入へ文化を伝える役割も必要です。
井手と田中がその接着剤になれれば、ロスターの入れ替えを「リセット」ではなく「アップデート」にできます。
開幕はホームでしながわ。最初から落とせないカード
開幕は9月26日、俵田翁記念体育館でしながわシティを迎えます。翌27日も同カード。
昨季の勝ち数は山口13、しながわ12。ほぼ同じ地点から新リーグへ入る2クラブです。
だからこそ、開幕から非常に大きなカードになります。
B.NEXTでは一つの相手と16回戦います。開幕2試合を取れば、それだけで相手とのシーズンシリーズに心理的な優位を作れる。逆にホームで連敗すれば、その相手と残り14試合を戦う間ずっと修正を迫られます。
山口にとって確認したいのは、インサイドの優位を本当に作れるか。そして、その優位がアウトサイドの確率改善につながるかです。
昨季の28.4%という3ポイント成功率が、どんな形で変わるのか。開幕カードから注目したいところです。
見どころ
山口で最も見たいのは、「中から外へ」という勝ち筋がどこまで早く形になるかです。
外国籍とアジア枠でインサイドを厚くし、ガードも補強しました。昨季の弱点に対する編成上の答えは見えています。
ただし、新加入8人、新HCという状況では、完成まで時間がかかる可能性もあります。B.NEXTは48試合ですが、対戦相手が3クラブしかいないため、序盤の遅れを「知らない相手との対戦」でごまかせません。弱点を見せれば、何度でもそこを攻められます。
逆に言えば、一度完成すれば強い。
サイズで優位を作り、ボールを内側へ入れ、外へ展開する。その形を3クラブすべてに対して作れれば、山口は昨季13勝のチームではなくなります。
そして今季は、勝敗だけで終わるシーズンでもありません。新体制のクラブがB.ONEへ本気で進むなら、コートの結果と会場の熱を同時に作る必要があります。
「山口から、熱狂を。」
その言葉が広告コピーで終わるのか、それとも俵田翁記念体育館の日常になるのか。B.NEXT初年度の48試合は、その答えを出すシーズンです。
選手情報・登録国籍・クラブ所属履歴はB.LEAGUE公式サイトおよび各クラブ公式サイトの発表をもとに作成。勝敗・平均得失点・成功率・平均リバウンド・平均スティール・平均ターンオーバーは2025-26シーズン(B3)の記録です。戦力分析は当サイトの見解・予測であり、客観的な事実の報道ではありません。ロースターは登録変更・インジュアリーリスト等により変動するため、最新の情報は各クラブ公式サイトをご確認ください。
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